小学生までにつけておきたい学力

小学生までにつけておきたい学力
就学時健診というものがあります。地域によって呼び名は違うかもしれません。
小学校入学の前の秋、学区の公立小学校に未就学児が呼ばれます。子どもたちは健康診断や集団行動の様子を見られるようです。
保護者には入学に向けて説明会があります。
そこで、「入学までに、ひらがなで自分の名前がわかるようにしておいてください」とお話があるようです。
教科書が読めなくても、足し算ができなくてもいいということです。
同級生と持ち物がほぼ同じです。お道具箱もランドセルも、鉛筆も筆箱も同じものがたくさんある中で、自分のものがわかればいいとことでしょう。
我が子のときはどうだったか記憶にありませんが、最近お子さんが入学した保護者の方から聞いたので間違いありません。
4月に入学すると担任の先生が言います。
「連絡帳を出してください。連絡帳に、明日持ってくるものを書きましょう」
はたして自分の名前を見てわかる程度も子どもが、明日持ってくるものを書けるでしょうか。否です。
書けない生徒には、担任の先生が書いてくれます。
自分の名前がわかる程度と言いながら、生徒が文字を書ける前提で学校生活は進んでいきます。
授業でひらがな、漢字、カタカナを学んでいくので、まだ書けなくてもいいのでしょうが、書ける生徒は自分で書いてください、ということです。
「ひらがなで自分の名前がわかる程度」とはどのくらいの学力でしょう。
これはピンキリです。
名前を文字として読むのか、記号として形を覚えるのか、その差は歴然です。
実際私の教室の年長さんでも、ひらがながやっと読めるお子さんと、高学年の漢字もわかる生徒さんがいます。
小学校入学までにつけておきたい学力は、最低限ひらがなは読める状態であるべきだと思っています。
国語の教科書に「こくご」、算数の教科書には「さんすう」とひらがなで書いてあるからです。
ひらがなを読む→文字を読む→文を読む→読んだ文の内容を理解する、と国語の学力には段階があります。
一気に段階が進むことはありませんので、一つずつ進んでいきます。お子さんによって習得のスピードが違います。
まずはひらがなが全部わかるようにしましょう。
算数は、数の概念がわかって100まで数えられるくらいです。
りんごが一つ、みかんが二つ、あわせていくつありますか?
1と10はどちらが多いですか?
くらいはわかるといいですね。
これは算数とともに、国語の力が必要になります。
人の話が聞ける、何を聞かれているのかわかる、は基本です。
「まず何をして、それからこれをして、次にあれをしましょう」といった、3つくらいの事柄を同時に記憶できるといいです。
学校の先生もわかる前提で話をします。
発達の問題で複数のことを理解しにくいお子さんがいます。
そこで何より大事なのは、「わからないことを聞ける力」です。
学校だろうが会社だろうが、わからないのにわかった振りをするのは問題です。
素直に「わかりません」が言えると、支援しやすいものです。
先取りで学習すると、学校の授業をまじめに聞かない、生意気な口をきくなど、ネガティブなことを聞きます。
それは子どもの性格によると思います。
先取り学習はできるならした方がいいと思います。
中学受験は先取りなしで乗り切ることはできません。進学校ほど授業が速い傾向があります。
小学校入学前にひらがなを覚えるのも、先取り学習と同じことです。
一年生の国語の教科書を見る機会があれば、ぜひ見てください。
知り合いの方に見せてもらうといいでしょう。
入学前に一年生に必要な学力がわかれば、親が何をすればいいかわかります。
最後に、勉強は楽しい、学校に行くのが楽しみだと思わせてください。
できないことに注目するのではなく、できるようになったことを褒めてください。
子どもは本来、知りたがり屋です。「できた!」「わかった!」の瞬間は目が輝きます。
子どもの好奇心を伸ばしてください。
入学前の学習の方法がわからなければ、ご相談ください。

ポイント
- 入学前にひらがなは読めるようにする
- 人の話を聞ける力を養っておく
- 先取り学習はするべきである
- 勉強、学校は楽しいと思わせる
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