受容と親の会
受容
私は「五体満足」という言葉が嫌いです。
私が三男を出産したのは、乙武洋匡さんの「五体不満足」が刊行されたころでした。
爆発的に売れてベストセラーになりました。その後の乙武さんのご活躍は皆さんご存じだと思います。
残念ながら我が家の三男は、五体満足で生まれてはきませんでした。
個人情報なので詳しくは書きませんが、数百人に一人の割合で生まれる症状です。
幼いころに手術をしています。
今は元気に自由に楽しく暮らしているので、たいしたことではなかったのです。
それでも、私が彼をハンディキャップを持った状態で生んでしまった、普通ならはしなくてもいい手術を受けさせてしまった、と心が痛みました。
小児病棟に2週間、私も付き添って入院しましたが、この時間が私を変えたと思っています。
いろんなお子さんがいろんな病気で入院されていました。
息子と同じ症状のお子さん、何年も入院をしているお子さん、命にかかわる症状のお子さんなどがいらっしゃいました。
泊まり込み、お見舞いでいらっしゃるお母さまたちとお話するようになりました。
夜中に寝付かない子どもをベビーカーに乗せ、一緒に病棟をお散歩しました。お母さまたちと合宿をしているようでした。
お母さまたちは大変でしょうに、明るくはきはきと入院生活を楽しんでいるようにさえ見えました。
今振り返り言葉にすると、お母さまたちは受容されていたのだとわかります。
この受容を、肌で感じることができたのが私の宝です。
受容とは、ありのままの自分を受け入れることです。これは自己肯定感の土台となります。
受容することで、自己肯定感が上がり、精神的に安定し、幸福感もアップします。
現実を受け入れることで、どうすればいいのか問題解決に向き合うこともできます。
また、同じ立場であるお母さまたちからも、私は受け入れられました。
他者からの受容は、自己受容を高めます。
ありのままの私たちを受け入れられてもらえたことで、私は、息子は、今のままでいいのだと自己価値の肯定につながりました。
あの時、夜中のお散歩をいっしょにしてくれた千宝(ちほ)ちゃんとお母さま、元気にお過ごしですか?
五体不満足に生まれた我が子に、千の宝と名付けたあなたを、時折思い出します。その節はありがとうございました。
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親の会
不登校の親の会、発達障害の親の会の意味と意義はお分かりいただけましたか。
親の会に参加しても、子どもが学校に行くわけではありません。
子どもの発達障害が治るわけではありません。
でもひとは受容できなければ苦しいのです。
なぜ、どうして、私だけが、を繰り返します。
同じ立場の方たちとお話することで、受容が進みます。
自分を子どもを認め、自分を子どもを許すことで、自分と子どもを愛せるのではないでしょうか。
親の会への参加を是非ご検討ください。
良い親の会を探してください。
ポイント
- 受容とはありのままの自分を受け入れること
- 受容は自己肯定感の土台である
- 受容することで、精神的な安定、幸福感を得られる
- 親の会に参加することで、受容が進む