学校の状況:学級崩壊とは言わない静かな進行

教室にいられない、椅子に座っていられない
最近、教室をうろうろ歩く生徒さんが増えました。
叱ることはしません。学校でも同じなのか聞きます。
学校では座っていられるのに、私の教室では座っていられないのであれば、私の教室に問題があるのかもしれません。
先日、うろうろしている男の子S君に聞きました。
「学校でも授業中に立って歩くの?」
「うん。疲れたら途中で5分休憩するんだ」
「その時は教室から出るのかな?」
「出ることもあるよ」
「S君以外に、休憩する子は何人くらいいるの?」
しばらく考えるS君。私は興味津々で答えを待ちます。
「8人くらいかな」
8人! 正直驚きました。S君は3年生の男の子です。話を盛った可能性もあります。でも、盛ったとしても8人とは!
S君はうろうろするだけで、他の生徒さんの邪魔をしたり、騒いだり、乱暴なことはしません。
お母さまとお話ををすると、トイレに行ってTシャツを一回脱いで再び着ることで自分の気持ちをコントロールしているそうです。トイレの中まで見られないので、わかりませんでした。
お母さまとお話できてよかったと思いました。
学校の授業が成り立っているのか、S君含め立ち歩く生徒さんが授業についていけているのか、学校の先生の心労はいかばかりなのか、心配は尽きません。
S君は学校からの勧めで、発達相談に行く予定です。お母さまから今後のご相談を受けました。
スタッフさんがうろうろしている生徒さんを気にしてくれます。
うちの教室では休憩は有りです。
他の生徒さんの迷惑にならないように見守っています。
年長さんのW君は5分おきにママのところへ行きます。
「ママに話がある」
「終わってから話そうね」
「今、話してくる」
中断に中断を重ねます。
でもね、大人になっても5分おきにママのところへ行く人はいませんよね。
ママは最高の安全地帯なのです! ママの協力もあり、W君は教室に来てくれています。
ママに感謝です。
これからもよろしくお願いします。
支援が必要な子どもたち
文科省の2022年の調査では、小学や中学校の通常級に通う子どものうち、発達障害の可能性があるのは8.8%ですが、私の教室ではもう少し多い感じがします。
診断を受けていて報告してくださった方以外に、学習の進度が学校に追いつかない、九九が覚えられない、漢字が書けない、立ち歩く、何度もトイレに行く、声のボリュームを調節できない、体が動く、キョロキョロ視線が動く、独り言が止まらない、姿勢を保てない、書くことが苦手、話ができない、気持ちを切り替えられない、忘れ物が多い、などなど心配になる生徒さんはたくさんいます。
これらの様子が併存する場合がほとんどです。
この生徒さんたちが検査を受けても、全員が発達障害の診断は出ないと思います。いわゆるグレーゾーンでしょう。
グレーゾーンだからと言って支援が必要ないわけではありません。支援は支援を必要としている子どもが受けられるものです。
グレーゾーンでも療育は受けられます。
学習塾ですから、子どものできることを増やすのは当たり前のことです。
どう増やしていくかが難しいのです。
自己肯定感を上げながら、少しずつ少しずつです。

ポイント
- 授業中に立ち歩く子どもが増えている。
- 小学校、中学校の通常級に通う子どものうち発達障害の可能性があるのは8.8%である。
- グレーゾーンでも療育は受けられる。
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