学習障害(LD):合理的配慮

学習障害と支援

一般的には知的障害がないにもかかわらず、読み書きや計算、推論など特定の能力の習得や使用に困難がある状態を学習障害と呼びます。

学習障害(LD)は苦手なことがある状態のことです。

他の能力には問題がないので、頑張らない子とか、やればできるのに、と言われることがあります。

本人が一番困っているので、つらい思いをします。

また、親の育て方やしつけの問題でもありません。

就学前に診断は不可能ですが、兆候が見られることがあります。

わたしの教室にも、就学前で診断はありませんが、もしやと思うお子さんがいます。

彼女に負担の少ない状態で学習を進めています。

読みが苦手なお子さんなので、読んであげる、一緒に読む、文節ごとに線を引くなどです。

無理に読ませるのではなく、聞く力を伸ばしたいと思っています。

聞く力を伸ばすことで読解力をつける、そんな指導です。

 

自閉傾向で多動でありLDの併発している生徒さんがいます。

中学受験を経て私学の中学校に進みました。

大学がついているのでエスカレーターで進めると思ったそうです。

しかしながら、上手くいきませんでした。

LDのため数学が赤点だそうです。このままでは高校に進学することすら難しいと、学校から言われています。

 

教育現場で合理的配慮の提供が義務付けられています。

私学であっても、小学校から大学まで、合理的配慮を受けられます。

ADHD、ASDなどの発達障害も対象です。

学校に配慮を求めるように進言しました。

しかし、合理的配慮を受けても成績が進学の基準に見合わなければ、進学は難しいでしょう。

障害のあるお子さんの進学は、慎重に学校を選ぶ必要があります。

お子さんの自信ややる気を損なわないよう、楽しく学校生活を送れるよう、くれぐれも慎重に選んでください。

 

塾選びも同じです。

塾はわからない部分をわかるようにするために通います。

ですから、特にできないことにフォーカスされがちです。

できないことを繰り返し指摘されると、自己肯定感がさがるのは容易に想像できます。

できないことを指摘するのではなく、上手にできたことに注目する、褒めるなど、一緒に少しずつ進んでくれる塾を選んでください。

支援を受けるには

学習障害(LD)があっても、音声読み上げソフトを使う、黒板を書き写すのではなく写真を撮る、プリントの漢字に読み仮名をふってもらう、などの合理的配慮によって、楽しく授業を受けることができます。

必要な配慮は一人ひとり違います。

目の悪いお子さんは前の方の席にしてもらえばいいですし、風邪をひいているのなら、体育は見学してもいいですよね。

お子さんに合理的配慮、支援が必要だと思うのなら、担任の先生に相談してみてください。

担任の先生では話が進まなければ、スクールカウンセラーや特別支援コーディネーターなどにお話ししてみてください。

支援は困っているお子さんが受けられるものです。

診断がなくても受けられますが、診断があれば困っていること、苦手なことを理解してもらいやすいようです。

お子さんのために行動してみてください。

 

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学習障害についてわかりやすく書かれています。お子さんが学習障害かも、と思われたら読んでみてください。サポートについても書かれています。

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ポイント

  • 合理的配慮は権利である
  • 支援は困っていれば受けられる
  • 診断があれば理解してもらいやすい
  • 学校、塾選びは慎重に

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この記事を書いた人

Be代表 岡部綾
学習塾を20年以上経営し、多くの親子の相談に寄り添ってきました。
親は皆、子どもを愛し、悩みながら子育てをしています。
どんな小さな悩みでも一緒に考え、より良い明日を過ごせるようお手伝いします。
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