発達障害と療育:受けるべき支援

発達相談と療育

療育とは、発達障害のあるお子さんや、その可能性のあるお子さんに対して、個々の発達の状態や障害の特性に応じて、今の困りごとや、将来の自立と社会参加を目指し支援をすることです。

 

発達相談とは行政に申請して受けられる住民サービスです。

市区町村によって窓口の名前は違うようです。お住いの役所名と発達相談で検索してみてください。発達支援センター、子ども発達センターなどの機関が出てきます。

遠慮せず相談してみてください。

行政は横の連携があります。相談しておくことで思ってもいなかったサービスを提案されることもあります。

夫のDVを警察に訴えると児相から連絡が来ます。子どものカウンセリングもしてくれます。

夫の暴力や離婚のことで頭がいっぱいも時に、行政が子どもの様子を見てくれるのです。ありがたいことです。

 

子どもは一人ひとり発達のスピードが異なります。

療育は、その子の発達の状況や特性に合わせた関りをしてくれます。

できることを増やし、隠れている力を引き出してくれます。

 

私の生徒で6年生の男の子は、療育でお買い物の練習をしているといいます。楽しそうですね。

これはSST(ソーシャル スキル トレーニング)といいます。

立場や場合によってどんな行動をすべきなのか勉強します。

 

相談、診断や療育はなるべく早く受けてほしいと思います。

発達障害の方は二次障害を発症する可能性が高いからです。

 

それを回避するためにも、是非お早めに受けてください。

親の立場と学習

子どもとの接し方を学ぶペアレントトレーニングも大事だと思います。

 

私の教室で、大学の専門の先生にペアレントトレーニングについてお話をしていただいたことがあります。

熱心にメモを取りながらお話を聞いてくださった保護者さまたちは、とても愛情深く、「ああ、大丈夫。きっと上手くいく」と確信しました。

心配事は多いでしょうが、愛情と支援があれば、たいていのことは乗り切れると思います。

 

多動気味で集中できない年長さんのRちゃんのお母さまが「発達の検査を受けたほうがいいですか」とおっしゃいました。

お勉強はよくできますが、学習の内容と不釣り合いな集中力です。

いつものように「心配なら行ってください」と答えました。

 

Rちゃんのお母さまは、素晴らしい行動力でした。

検査の予約を取るのも難しい昨今ですが、すぐに検査をされました。

結果は上振れの凸凹の困難さと指摘されました。

知能検査は130と高いのですが、じっとしていられないなど、思っていた通りの結果でした。

検査結果の報告書を見せていただきましたが、検査時のドタバタが伝わってくる微笑ましい報告書でした。今まで多くのお子さんの結果を見てきましたが、Rちゃんらしい報告書でした。

 

人懐っこく可愛いRちゃんです。

私はこのまま育ってくれれば大丈夫だと思っていましたが、お母さまは、就学時検診の前に発達相談に行きました。

結果は通常級で大丈夫と言われたとのこと。

そりゃ、そうでしょ、と突っ込みながら、お母さまのフットワークの軽さに感服です。

 

このお母さまなら、Rちゃんは幸せに成長できると思います。

 

後日、Rちゃんのお母さまに、検査を早く受けることができた理由をお聞きしました。

Rちゃんが年長さんで就学が近いので、市の発達支援センターですぐに検査ができたとのことでした。

療育の予約を入れておき、受給者証が出たらすぐに通い始めました。

行政のお仕事も親切でありがたかったとのことです。

 

私は親が学習することが大切だと思います。

子どもを持って初めて親になります。子どもが5歳なら、親も親になって5歳です。

本を読む、人に聞く、相談する、経験する、すべてが学習です。

 

子育てはお金も時間もかかります。でも、楽しさも喜びもたくさんあります。

かけがえのない経験です。

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ポイント

  • 療育とは、個々の発達の状態や障害の特性に応じて、今の困りごとや将来の自立と社会参加を目指して支援をすること。
  • 発達障害の人は二次障害を発症しやすい。
  • ペアレントトレーニングなど親の学習が必要である。

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この記事を書いた人

Be代表 岡部綾
学習塾を20年以上経営し、多くの親子の相談に寄り添ってきました。
親は皆、子どもを愛し、悩みながら子育てをしています。
どんな小さな悩みでも一緒に考え、より良い明日を過ごせるようお手伝いします。
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