自己肯定感:ありのままの姿とあるべき姿

自己肯定感は大切
「自己肯定感」が最近のキーワードです。
自己肯定感とは「ありのままの自分を肯定する感覚」のことです。
「学習塾 自己肯定感」で検索してみてください。
最近の塾は自己肯定感の向上を売りにしています。否定しているわけではありません。大切なことだと思います。
成績が上がれば自己肯定感は上がるはず、は短絡的だと思いますが。
もともと子どもは好奇心が旺盛で知りたがり屋です。
知らないことを知りたい、できないことができるようになりたいと、図鑑をながめたり、ヒーローごっこ遊びをします。
いわば、ありのままの自分を肯定できるように頑張るのです。
小さな成功体験を積み重ねて自信をつけ、そしていつか大きな壁を乗り越えていきます。
次の試合では絶対ゴールを決める! ホームランを打ちたい! あの学校に受かりたい!
いいじゃないですか。がんばれー!、と応援したくなります。
レギュラーになれなくても、100点を取れなくても、第一志望に合格できなくても、自信を喪失しない子はたくさんいます。
一時はがっかりしますが、気を取り直して前を向きます。
それも素晴らしい能力ですね。
自信と自己肯定感
いつも自信なさ気なMちゃんは、筆圧がものすごく弱くて、何を書いてあるのか読めません。
「先生、老眼でよく見えないから鉛筆で書いてね」と6Bの鉛筆を渡しても、いつの間にか自分のシャープペンシルに持ち替えてしまいます。
時間もかかります。
文字の薄さが自信のなさの表れのようです。
文字が極端に小さい子も同じです。
スポーツや勉強が得意でなくても、自己肯定感が高い子もいます。
親からの愛情やお友だちとの良好な関係、まだまだ小さな社会ですが、その中で自分は必要とされていると感じる充足感などからです。
そう考えると、自己肯定感の低い子は考え方や心持ちが違うように思います。
発達障害の子は自己肯定感が低いと乱暴なことは言いません。
でも、発達障害の方がうつ病を発症しやすいことからも、何らかの関係はあるかもしれません。
発達障害を持っていることで上手くいかないこともあるでしょう。
それを繰り返すことで自己肯定感が低くなることは想像に難くありません。
できないことは責めません。頑張らないからできないのだと責めてもいけません。頑張ることができない子もいるからです。どう頑張ればいいのかわからない子もいます。
できないことに注目するのではなく、できたことを認めます。少しずつでも出来ることが増えていることを言葉で伝えます。
子どもが赤ちゃんだったころ、生まれてきてくれたことに感謝し、寝返りができたと褒め、お座り、ハイハイができて喜び、初めて歩いたと歓喜したはずです。
なぜ大きくなると褒められなくなるのでしょう。
できて当たり前だと思うから? 自分ができたから?
それはこちら側、親や先生の尺度です。その子の尺度で図ってください。成長の速度も過程もそれぞれです。
私の教室でも褒めます。今日できたところを見つけて褒めます。
それでも、何年も褒めても変わらない子もいます。
できること、できないことを見極めて、よりよく生きていく方法を探るのも良い選択だと思います。

ポイント
- 自己肯定感とは「ありのままの自分を肯定する感覚」
- 発達障害の子どもは自己肯定感が低くなりがちである。
- できたことを、言葉にして伝えることが大切である。
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