集中力
集中力とは
集中力とは、特定の行動に対して意識を持ち続ける力のことです。
睡眠不足や体調が悪いなど、コンディションによって変わります。
一流のアスリートでも、コンディション作りに余念がないのは、集中力を高めるためです。
大人はよく、「集中しなさい」と言います。
まず、子どもは「集中」という意味を体感として理解できるでしょうか。
小さい子は「丁寧に」とか「しっかり」などの抽象的な言葉はわかりません。
なので、丁寧に書けたときに「すごく丁寧に書けたね、上手だよ」とか
しっかりピアノの練習をできたときに「今日はしっかり弾いていたね」のように
できたときに褒めることで、言葉の意味を知っていきます。
「集中」も同じです。
学校の宿題を、脇目も降らずにできたときに、「集中していたね、すごいね」と大いに褒めてあげてください。
集中すると褒められる、いいことがある、気分が良い、とポジティブに記憶されます。
子どもを見ていなければできません。ぜひ見ていてあげてください。
集中しても、だらだら宿題をやっても同じなら、ほとんどの子どもはだらだらします。
すかさず褒めることは「あなたを見ていたよ」と伝えることと同じです。
集中できていなかったときは、「ご飯までに終わらせてね」「今日は疲れてるのかな、一緒にやろうか?」「あと少しだよ、応援してるよ」などと声をかけてください。
間違っても、「集中しなさい!」とは言わないでください。
集中できるのなら、しています。
集中できない理由があるのです。
集中が続かない
教室には、どうしても集中が続かない生徒さんがいます。
どんなに声をかけても、手を握っても、一緒にやっても集中できません。
コンディションがいい時で5分、悪い時は1分です。
まず姿勢が崩れます。
次に鉛筆や消しゴムで遊びます。
あの手この手でやってみて、放っておくと学習してくれることがあるとわかりました。
声と、目と、手をかけると、それぞれに反応して、学習ができないのです。
学習できないから声をかけているのに、悪循環です。
かといって就学前の生徒さんを放っておくこともできません。
お母さまには、時折放っておくことがあることをお伝えしてあります。
小学校に入学後、この生徒さんが教室で一時間座って授業を受けられるか、とても不安です。
お母さまも頭を悩ませていらっしゃいます。
集中力はすぐには育ちませんし、特性で多動気味であったり、思考があちこちに飛んでしまうお子さんもいます。
そんなお子さんは、困った子ではありません。
私たち大人が勝手に困っているだけです。
子どもの集中力を、少しずつ育てていきましょう。
上記のお子さんには、このストップウォッチを使っています。
このプリントは何分でできるかな? とゲーム感覚で小刻みに学習しています。
小刻みに学習することで、短い休憩を挟めます。
本当は2分でできるものを3分で、と長めにストップウォッチを設定します。
当然目標より早くできるので、やる気が続きます。
間違っても30分などと長く学習させません。
東大を受験するような高校生も、20分で休憩を入れます。
褒めるために使ってください。
集中力を育てるには
少し外を歩くなど、体を動かしてから取り組む
衝立などで視界に入るものを減らす
耳栓やノイズキャンセリングで外の音をシャットアウトする
休憩を細かく入れて、集中できる時間を確保する
など集中できるようにする方法はいくつかあります。
家では取り入れられても、学校や塾で出来ることは限られています。
私の教室では全部取り入れています。
どこで、どんなふうに学習したいのか、できるのかも考えてください。
集中力がない子を進学塾に入れても、集中力は育ちません。
自己肯定感が下がるだけだと思います。
ポイント
- 集中力とは、特定の行動に対して意識を持ち続ける力である
- 集中力を育てるには工夫が必要である
- どこで、どんなふうに学習できるのか考える
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